あいさつ 小田原雅人主任教授

<略歴>

 1980年東京大学卒業。2004年東京医科大学病院に入職。

 日本内科学会認定医、日本内科学会指導医、

 日本糖尿病学会専門医、日本糖尿病学会指導医。

 

 専門は動脈硬化性合併症の臨床(糖尿病学,内分泌代謝学,動脈硬化学,分子生物学)。主な研究テーマは糖尿病と合併症の遺伝的素因,糖尿病大血管障害の危険因子,インスリン抵抗性の分子機構など。1989年,インスリン受容体遺伝子異常をScience誌に発表。現在もミトコンドリア遺伝子異常をはじめ,糖尿病の成因や糖尿病合併症発症に関与する遺伝子の解明に取り組んでいます。

 

 糖尿病・代謝・内分泌系の疾患は、全身のさまざまな部位に影響するため、当科の医師には幅広い分野の知識が必要とされます。たとえば糖尿病の場合、自覚症状がない場合が多く、不健康な食事や喫煙など悪い生活習慣を続けてしまうと、動脈硬化を発症し、心筋梗塞や脳卒中の原因にもなります。また、糖尿病が悪化すると目や腎臓、神経にも障害を起こします。

 

 それぞれの合併症は専門診療科の担当ですが、その疾患の原因が糖尿病のため、診療の際は糖尿病の専門知識はもちろん、他診療科の知識も必要になります。こうした理由から、若い医師には当科以外の専門分野について学ぶように指導をしています。また他の専門診療科との連携に力を入れています。

 

 さらに当科で扱う疾患の治療は、細かな配慮が求められるため、医師をはじめ栄養士や看護師が一体となる総合サポート力が重要です。糖尿病などは、生活習慣病として長期にわたる血糖コントロールが大切ですから、患者さんへの生活指導も徹底しなければなりません。遺伝子解析の研究も進んでおり、一人でも多くの方を改善できるよう今後も取り組んでいきます。